腎臓病セミナー

7月10日 2026年度第2回目の腎臓病教室を開催しました

【開催概要】
①テーマ:腎臓病について
②担当部署:診療部
③講師(役職・氏名):腎病内科 部長 井上圭右

【参加者情報】
①参加人数:16名
②アンケート結果:満足度/100%、内容の参考度/100%、次回参加意欲/100%

【セミナーの概要】
腎臓は人体の多くを占める水分量や電解質の調節に大きな働きをしています。腎臓が重要な役割をもっていることは生命の進化の経緯からもうかがえます。数億年前、私たちのご先祖であった古代の魚が淡水に進出したとき、腎臓という内臓が生命の歴史に現れたと言われています。海で発生し進化してきた生命は海中の環境に適応していました。海水中には水や塩分をはじめとしたミネラルも周囲に豊富にありましたが、川や湖といったミネラルが乏しい場所ではそれらの資源を有効活用する必要があったからです。爬虫類として陸上に進出すると今度は水を節約する必要から腎臓はさらに進化し、哺乳類となって代謝量が大きくなるとさらにその機能を増し、現在の腎臓ができあがったのです。わたしたちの腎臓は、本来は海中に居た生命が陸上で生きてゆくための大事な環境維持装置といえるのです。宇宙空間で宇宙服や宇宙船が無いと人間が生きられないように、腎臓が働かなければ私たちは存在できません(いまさら海に戻っても、もはや生きてはいけません)。
腎臓の病気は、慢性糸球体腎炎とか糖尿病性腎症とか言うように原因別に分類でき、それぞれの原因疾患を治療することが大切です。一方、原因にかかわらず腎臓の機能の低下を指して「慢性腎臓病」と呼ぶことも近年一般的になりました。蛋白尿があるかもしくは糸球体濾過量(GFR)の低下(60ml/分未満)している状態をいいます。これは該当する人口が大きく、日本では成人の5人にひとりと推定されています。悪化すれば透析を要しますし、心臓の冠動脈疾患や脳血管障害発症の危険因子であることが判明しています。ですから、慢性腎臓病に適切に対応することは個人の健康や生命予後、さらには公衆衛生のために意味を持ちます。慢性腎臓病は自覚症状に乏しい場合が多いのです。簡単な血液検査と尿検査で診断できますから、健康診断を定期的に受けていただくか医療機関で調べてもらってください。食事制限をふくむ適切な治療で悪化を遅らせることができる可能性があります。

【次回のお知らせ】
①次回のテーマ:腎臓とお薬について~正しく知って、上手に守る~
②講師:薬剤部 科長代理 岩川薬剤師
③開催予定日:2026年10月9日(金曜)15:00~16:00

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